プロダクト関連の本を読んだ
Hidden Technical Debt in Machine Learning Systems にも書かれているように、システム全体に対して、機械学習のコンポーネントはほんの一部という話はよく言われるようになってきたと思う。 同様に、プロダクトに対して、機械学習を使った機能も(重要ではあるが)一部でしかないので、もう少しプロダクト全体について学んだ方が良いかなと思い、プロダクトマネジメントとかその周辺の本を読んでみた。
とりあえず、以下の本を読んでみた。プロダクトというより組織っぽい話も多かったけど、気になったところをメモ。
- プロダクト・レッド・オーガニゼーション
- プロダクト・レッド・グロース
- プロダクトマネジメントの全て
プロダクト・レッド・オーガニゼーション
セールス主導型組織とは異なり、プロダクトを主軸においたプロダクト主導型組織になるためのガイド本。
- オンボーディング体験
- プロダクトを使ってもらうにはオンボーディングが重要
- ユーザーがプロダクトの明確な価値を認識し、長期的な関わりを始めるポイントを「アハ・モーメント」と呼んでいる
- slackの場合、1チームで2000通のメッセージを送信したあたりらしい
- オンボーディング設計におけるアドバイス
- プロダクトではなく、ユーザーに焦点を当てる
- ユーザーを価値あるものへと早く導く
- ペルソナによるセグメント化
- 進捗ゼロという状態を作らない
- 長期の顧客維持状況の計測
- カスタマーヘルススコアを構築して計測
- Rapid7チームの例だと
- 短期: プロダクトの定着状況、サポート体験、購買行動
- 中期: カスタマーサクセスマネージャーからの情報、カスタマーマネージャーによるやりとり、NPS
- 長期: ITエコシステム、セキュリティ成熟度、プロダクト認証
- プロダクトの成功は機能の定着に依存
- 機能定着率など機能に関する計測をする
プロダクト・レッド・グロース
プロダクト主導型組織の成長戦略であるプロダクト・レッド・グロースについて書かれた本。オンボーディングの話が多くあっておもしろかった。
- プロダクト・レッド・グロースとは、ユーザー獲得、アクティベーション、リテンションをプロダクトそのものが担うという手法
- プロダクト・レッド・グロースを取り入れるということは、事業に関わる全てのチームがプロダクトに影響を与える
- ユーザーの4タイプ
- ミッション・インポッシブル、ルーキー、ベテラン、スポイルド
- スポイルドユーザーを増やせると良い
- コアユーザーと解約ユーザーの利用パターンを比べることで、バリューメトリクスをみつける
- プログレスバー
- すでに一部完了していると、完了させようとするモチベーションが上がるというのがおもしろかった
効果的なプログレスバーは最初から一部完了した状態にしてある。まったくゼロから始めるのではなく、すでに途中まで済んでいると感じさせることで、早く最後まで完了させたいという欲求を高められる。
- すでに一部完了していると、完了させようとするモチベーションが上がるというのがおもしろかった
- ツールチップ
- これもついやってしまいそうなことだけど、注意しないといけなそうだなと思った
- オンボーディング・ツールチップは、ユーザーが有意義な価値を得るために必要な手順を案内するために使おう。
- 人々がソフトウェアを使うのは、暇だからでも、ボタンをクリックして回るのが楽しいからでもない。
- これもついやってしまいそうなことだけど、注意しないといけなそうだなと思った
- 価格帯を改善することで、ARPUが20%改善した
- 不必要に設定された価格帯は取り除く
- 人は選択肢が多いほど、選択をしない可能性が高くなる
- バリー・シュワルツ氏が提唱した「選択のパラドックス」
- プライシングのオプションを3つ以下に抑える
- チャーンの種類
- カスタマーチャーン: 一定期間中に失ったユーザー数
- レベニューチャーン: 一定期間中に失った売上額
- アクティビティチャーン: 解約リストがあるとされるユーザー数
プロダクトマネジメントのすべて
プロダクトマネージャーのやることや必要なスキルについて広く浅く書かれた本。全体を広く知れて、個人的には読みやすかった。
- プロダクトの4階層としてCore, Why, What, Howを決める
- 上から順番に決めるわけではなく、上から下へ、下から上へと行ったり来たりしながらブラッシュアップする
- リーンキャンバスとのも書いてあってわかりやすかった
- プロダクトの大切なものランキング
- プロダクトの品質について
とりあえず広く浅くで読んでみたので、次はもう少し深ぼってみてもいいかなと感じた。