「ビジネスモデル全史」を読んだ

「ビジネスモデル全史」を読んだので印象に残った部分を簡単に書いておく。

  • 序章:お金にまつわる5つのビジネスモデル確信
  • 第1章:ビジネスモデルとは何か?
  • 第2章:近代ビジネスモデルの創生期(1673~1969)
  • 第3章:近代ビジネスモデルの変革期(1970~1990)
  • 第4章:世紀末、スピードとITによる創造期(1991~2001)
  • 第5章:リアルを巻き込んだ巨人たちの戦い、小チームの勃興(2002~2014)
  • 第6章:どうビジネスモデル革新を起こすのか?
  • 保章:今、日本から世界に挑戦できること


これまでのビジネスモデルやそのビジネスモデルの革新がどのように起こったのかを年代ごとに簡単なエピソードと一緒に書かれていた。

サウスウエスト航空の「経験よりユーモア」、「顧客より従業員」

顧客第一となるのが普通だが、それを「顧客第二、従業員第一主義」というのはなかなか言えない気がするので、それを貫いていったのはすごいなと思う。

われわれはベンチャーだ。小さいのだから顧客全員に好かれる必要はないし、特徴を出そうと思ったら、
従業員の力を最大限引き出さなくてはならない。だから従業員第一主義。
それにベンチャーは、生き残るためにあらゆる変化を厭ってはいられない。そこに既存の経験は邪魔でしかない。
ゴビンダラジャンの「忘却、借用、学習」、リースの「リーンスタートアップ

リーンスタートアップは知っていたけど、「忘却、借用、学習」というのは聞いたことなかった。
借用は既存のビジネスモデルと差別化するには借用するものを限定しようという考え方で、なるほどという感じ。

新規事業は決して既存事業から「人事、経理、IT」機能を「借用」してはいけません。
それこそがスピードや発想の足枷になるから。
主要機能である「R&D、マーケティング、生産、流通」機能にしても、「借用」するのは1~2機能に留めよ。
ビジネスモデルを同じくすればジャンプはなくなってしまうからです。

学習の話も面白い。目標必達の話はありそうだけど、失敗からの学習を第一目標とすべきというのは面白いし良い考え方だなと思う。

新規事業に業績目標必達を求めるな、失敗からの学習こそを第一の目標とすべき
既存事業に多い目標必達文化は、大きな挑戦を阻害します。
しかし、挑戦し、失敗から学ぶことなくして新規分野での成功はあり得ないからです。
「創造性あふれるビジネス・リーダーの特長」として「5つの発見力」

以下の5つらしいけど、これが必要十分なのかは自分にはよくわからない。

関連づける力:異分野から生じた、一見無関係に見え疑問や問題、アイデアをうまく結びづける力
質問力:前提を覆そうとしたり、正反対の方向に振ったりすることでモノゴトの探究につながる質問をする力
観察力:一般的な現象や潜在顧客の行動を詳しく調べることで、非凡なビジネスアイデアを生み出す力
実験力:学習のためには失敗してもかまわないと考え、インタラクティブな実験を設計して、予想外の反応を起こす力
ネットワーク力:自分の知識の幅を広げるために、自分とは異なるアイデアや視点の持ち主たちに会う力
ネイルチップ通販専門店MiCHi

個人ネイリストを集めてネイルビジネスをネットで行った仕組み。個人ネイリストに以下のようなモチベーションを持たせることで満足感を与えている。クリエイターが生きる仕組みというのはよいなと思う。

自分の好きなデザインを作れる満足感
隙間時間で仕事ができる柔軟性
受注生産方式のため、売れるものをつくる満足感


ビジネスモデルに詳しくない自分にとっては分かりやすいし、事例ベースで説明されるので読みやすかった。ただ一方で、特に体系的に書かれているというわけではないので、ある程度自分で整理しないといけなそうで、まだあまりできていない。


自分はビジネスセンスに乏しいと思うし、お金を稼ぎたいという気概もあまりない。とはいえ、会社という営利組織に所属いるので、ある程度ビジネスに関する知識は必要なんだと思う。技術書だと放っておいても勝手に読もうと思うけど、ビジネス書は意識して読もうと思わないと読まないとので、ある程度意識的に読んでいきたい気はする。